読売は歓迎の姿勢をにじませる
外為市場は決定会合までは緩和への期待から1ドル=80円に接近する円安の展開だったが、会合後は79円台前半に円が急上昇。日経平均株価も決定会合の結果公表から取引終了までの15分間で一気に150円超も下落(31日は前日水準に戻す)。「追加緩和は想定の範囲内」「力不足」との分析が交錯したが、共同文書に現れた両者の思惑の違いを捉えて「政府と日銀の『すきま風』を敏感に感じ取った」(朝日31日付朝刊2面)との指摘もある。
その共同文書は、前原誠司・経済財政相が仕掛けたもので、政府と中央銀行が政策協定(アコード)を結ぶことへの布石との見方が出ているが、その是非の見方は分かれる。31日朝刊の主要紙の社説の論調も、デフレ脱却への日銀の役割を重視してきた読売は「初めての共同文書も発表した」と歓迎の姿勢をにじませた上で、「政府・日銀の協調を『かけ声倒れ』に終わらせないことが大切」として、日銀による外債購入やインフレ目標の導入など「政府と日銀がさらに論議を深めることが求められる」と、次の一手を催促。産経(主張)は今回の追加措置を「従来の政策の延長であり、企業などの資金需要が落ち込む今、その効果も不透明だ」と、円高対策としての不十分さを攻撃し、読売と同様、外国債券の購入検討などを求めた。