「沖縄県民の懸念に対して敏感であるべきだ」 NYタイムズが基地県外移転、地位協定改定求める

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   米ニューヨーク・タイムズ紙が、社説で沖縄に駐留する米軍の問題を取り上げた。負担軽減を求める沖縄県民の主張に大筋で沿ったもので、米軍施設の県外移転や日米地位協定の改定を求めるなど、米メディアとしては異例の内容だ。

   社説は、2012年11月3日に「沖縄の怒り」と題して掲載されたもの。

   社説では、海兵隊垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの普天間飛行場配備ですでに「火が付いていた」沖縄が、米兵2人による集団強姦致傷事件でさらに緊張が高まっていると指摘。その様子を、

「沖縄県民は、憤りと怒りを表現する形容詞が足らないかも知れない」

と表現した。

地位協定改定に「国防総省は抵抗するだろう」

   また、沖縄県民は、日米政府が、

「地政学的優位性が、飛行機の墜落や騒音、環境破壊や犯罪といった地元の懸念に勝っている」

と考えており、沖縄県民の主張は受け止められていない、とした。こうしたことを背景に、1995年の少女暴行事件から休みなく抗議活動が続いていると紹介している。

   10月の集団強姦致傷事件については、米側が謝罪し、夜間外出禁止令が出されたことにも触れた上で、仲井真弘多知事が日米地位協定の改定を訴えていることも指摘。改定は、日本の司法制度で米兵を裁くことができるようにすることが目的だ。この点については、社説では、

「国防総省は抵抗するだろう。(地位協定を結んでいる)他の地域でも同様の事態が起こることを恐れているからだ。米国の日本における軍事的プレゼンスは地域の安定にとって重要だ。しかし、米政府は、筋の通った沖縄県民の懸念に対して、もっと敏感であるべきだ。軍の行動をより厳しく制限し、効率的な訓練と監視を行うべきだ」

と主張しており、仲井真知事の主張に暗に同意した形だ。

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