撤去作業ができるのは県から権限を与えられた土木事務所の職員など
中島議員が主張するように法的には問題がないのだろうか。
群馬県選挙管理委員会に取材すると、選挙の際に掲示される候補者ポスターは公職選挙法上、はがしたり破ったりすれば法律違反となる。一方、選挙とは別に張られる政党ポスターは「屋外広告物」として、自治体の条例により規定されるという。
中島議員の地元の高崎市は、群馬県からの事務権限移譲により2010年12月に屋外広告物条例を制定した。同市景観室に聞くと、政治資金規正法の対象となる政治団体の場合、掲示期間が2か月までの政党ポスターであれば、具体的な期間と政党名をポスター上に記載しておけば市への届け出は不要だと話す。2か月を超える場合は届けを求められ、最長4か月まで掲示可能だ。
ただ、掲示する際には、その家の住民に了承を得るのが通常だ。
では、ポスターを第三者が勝手にはがした場合はどうなるのか。市の条例には、罰則規定がない。県選挙管理委員会は、「ひとつの可能性ですが」と前置きしたうえで、ポスターをはがして捨てたり破ったりした場合に、持ち主の訴えによっては刑法の「器物損壊罪」や軽犯罪法違反に問われるかもしれない、と指摘した。
群馬県都市計画課は、例えば掲示されたポスターに住民から苦情が出てはがすことが決まった場合、撤去作業ができるのは県から権限を与えられた土木事務所の職員などに限られるという。権限もない人が、たとえ周囲から依頼されたからといって断りもなくポスターを外すのは「困った行為」なわけだ。
J-CASTニュースが「生活」に、党としての見解を聞くため取材を申し入れたところ、「この件につきましては(党の)群馬県連の方で対応しており、警察などにも相談しています。党本部としましては、推移を見守っているところです」と電話で回答した。中島議員にも電話取材を数回試みたが、ウェブサイトに記載されている国会事務所、高崎事務所いずれも不在でつながらなかった。