新日鉄住金vs韓国ポスコ、審理始まる 長引けば双方にダメージか

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40年以上にわたって提携してきた仲

   今回の訴えに対してポスコ側は、口頭弁論で「盗用」について「全くの事実無根。ポスコが独自に技術開発を進めた」と真っ向から反論。また、ポスコは「入り口論」として、日本でこの訴訟を扱うことの是非についても争う構えで、製造拠点のある韓国での審理が妥当だと主張している。さらに韓国中部の大邱地方裁判所において、新日鉄住金が求める損害賠償についての「債務の不存在」を確認する訴訟を起こすなど、徹底抗戦の姿勢を示している。大邱の今後の訴訟日程は未定だが、仮に「不存在」が認定されれば、ポスコは東京地裁にその判断を提出して対抗するものと見られる。

   東京地裁での次回の口頭弁論は12月下旬の予定だが、全面対決となったことで、判決までに最低でも1年程度はかかると見られている。その後も和解が成立せずに高裁、最高裁と争うことになれば、結論を得るまでに数年を要しそうだ。その間、ポスコが方向性電磁鋼板の販売を続ければ、新日鉄住金の主張する損失は拡大の一途をたどる。

   ただ、こうした対決ムードの一方、新日鉄住金とポスコは40年以上にわたって業務提携してきた関係にある。1998年以降は資本関係も結び、原材料価格の高騰に対抗して資源の共同開発など協力して事業を進めている間柄。関係をさらに発展させ、資源の共同購入や世界の自動車メーカーなど納品先との価格交渉で協力してきた面もあるだけに、訴訟が長引くことは双方にとって利益を失う面もあるとの指摘もある。

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