「食べ放題」で巻き返すファミレス
外食産業はここ数年、「低価格」に強みをもつ企業がけん引してきた。マクドナルドをはじめ、居酒屋チェーンのワタミや「丸亀製麺」などのトリドール、イタリアンのサイゼリア、290円「中華そば」の幸楽苑、「餃子」の王将フードサービスなどがそれ。
これらの外食企業は、「値ごろ感とクオリティの両立が上手にいっている」(大手証券のアナリスト)と話す。
ただ、牛丼チェーンの過剰な安売り競争が消費者に飽きられたように、「低価格」だけでは勝負にならなくなってきた。
そこに台頭してきたのが、ファミリーレストランの「新顔」だ。富士経済によると、「ステーキ・ハンバーグ」のファミレス市場は2011年が1783億円で、前年比15.3%と急伸した。12年は6.8%増の1905億円を見込んでいる。
ステーキ・ハンバーグ&サラダバーの「けん」を展開するエムグラントフードサービス(非上場)が導入したサラダバーの食べ放題が消費者に受け入れられ、10年以降は「ステーキガスト」や「カウボーイ家族」など、同様のスタイルをとるチェーン店の新規参入が相次いだ。
12年はイタリアンや中華、ちゃんぽん、バイキングレストランや高価格型のファミレスも好調で、ファミレス市場全体でも0.7%増の1兆3694億円と6年ぶりにプラスに転じる勢いだ。