高齢者の被保護者が半数を超える
フィフィさんは一連の議論の後で、「まともな外国人は、日本と母国の架け橋としてこの国で日本人との共生に努めています。その気が無いなら帰ればいい」と繰り返した。これには「相互理解する気があれば共生は可能」と理解を示す人もいれば、「私のことを嫌いな人を好きになれますか」と疑問視する意見も出た。一方で、フィフィさんに反対した在日コリアンの人物を激しくののしるツイッター利用者も少なからず見られた。
生活保護は2012年、芸能人の親族による不正受給疑惑が明るみに出るなどして話題となった。12年7月現在の受給者は約212万人。
戦後間もない頃から厚生省社会局長通知で「正当な理由で日本国内に住む外国籍の者に対しても、生活保護法を準用する」とされてきた。
そこで、実際に生活保護を受けている在日外国人はどのくらいの数に上るかを調べてみた。厚生労働省に取材すると、受給対象となる外国人は、その在留資格が「出入国管理及び難民認定法」別表第2にある「永住者」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「定住者」に加え、「特別永住者」も含まれるとの説明だ。
2010年、外国人で生活保護法の対象となった「被保護世帯」総数は4万29世帯で、うち韓国・朝鮮籍の人が2万7035世帯と全体の約68%を占めている。
では、対象となる在留資格を持つ外国人はどれほどいるのか。法務省の統計を見ると2010年では137万5296人が該当者となり得る。このうち韓国・朝鮮籍を持つ人は48万4025人と最多で、なかでも「特別永住者」は、全体の99%に達する39万5234人と圧倒的な数だ。この在留資格を持つのは、終戦前から日本に住んでいた朝鮮半島、台湾出身者のうち1952年のサンフランシスコ平和条約で日本国籍を喪失した後も日本に在留している人とその子孫を指す。特に戦前からの居住者は高齢化が進み、暮らしを維持するために生活保護を申請する例が増えているのかもしれない。実際に韓国・朝鮮籍の被保護者のうち、「高齢者」に分類された人は半数を超えていた。