業績下振れの原因は「本業の不振」
パナソニックは営業黒字の確保を強調するが、半面、津賀一宏社長は2012年10月31日の決算会見で「今回の大幅な業績の下ぶれの根本的な原因は、本業の不振にある」とも語った。
薄型テレビやデジタルカメラなどの家電部門で、「われわれは『負け組』になっていると言わざるを得ない」と、深刻に受けとめている。
国内では11年の地上デジタル放送移行時の需要増の反動で、薄型テレビやブルーレイ・ディスク録画機の売上げが急減。これにサムスン電子やLG電子の韓国勢がウォン安に乗じて安売り攻勢を仕掛け、値崩れを起こしたことで深手を負った。
携帯電話事業ではスマホの展開で出遅れた。かつてシェア首位を誇った国内市場でも米アップルの「iPhone」やサムスン電子の「GALAXY」シリーズなどに大きく水をあけられている。
下期は、好調な白物家電事業をけん引してきた中国市場が日中関係の悪化から、伸び悩みが懸念される。