「LTE」に必要な基地局開設計画を見直し?
子会社化について、総務省では、「その事業者の判断」だとし、問題点があるかについては、「ソフトバンクからまだ回答がないので、言える立場ではない」とした。しかし、ソフトバンクが電波の割り当て後に子会社化を打ち出したことについては、「法律上の規制はないが、個別に考えないといけない」と不快感を示した。
国際金融アナリストの小田切尚登さんは、総務省には誤算があったのではないかとみる。
「電波割り当てしたライセンス企業を買収するのはダメと総務省は言うべきだったのに、手当てをしていなかったのでしょう。海外ではこうしたやり方は認めておらず、その意味で、孫正義社長のは奇策と言えると思います」
買収そのものについて小田切さんは肯定的で、「M&Aは、話があったときにやらないと、ライバルが勝ったり、株が値上がったりします。タイミングが大事で、孫社長が決断したのも仕方がないと思います」と言う。
ただ、米スプリント・ネクステルも買収した結果、高速通信サービス「LTE」に必要な基地局開設計画をソフトバンクが見直さざるをえなくなった可能性を指摘している。
「最初は楽に買収できると考えたのかもしれませんが、米企業買収による株価下落などで資金繰りが厳しくなっているのだと思います。それで、100%株を買わなくても、と考えたこともあるのでしょう。その意味で、ソフトバンクにも誤算があったかもしれませんね」