月刊情報誌「日経トレンディ」が2012年11月1日、「2012年ヒット商品ベスト30」を発表した。
4位に、東洋水産の袋めん商品「マルちゃん生麺」がランクインしている。袋めんが苦戦する昨今で、大躍進となった。
6月末までに1億食販売の大ヒット
「2012年ヒット商品ベスト30」は、11年10月から12年9月の間に発売された製品、サービスを対象とし、「売れ行き」「新規性」「影響力」の3項目に沿って日経トレンディが独自に判定したランキングだ。
1位は12年5月にオープンした「東京スカイツリー」、2位は若者を中心に爆発的ブームとなっているスマートフォン向けの無料通話・メールアプリ「LINE」、3位は12年に続々と就航した「国内線LCC(格安航空)」、5位は厚いものも固いものも楽に切れるというはさみ「フィットカットカーブ」だった。
そして堂々4位に君臨したのが「マルちゃん正麺」だ。「マルちゃん正麺」は11年11月、「これこそ正しい麺、理想のラーメンの完成形なのだ」という触れ込みで、醤油、味噌、豚骨味のラインアップで発売された。
生めんをそのまま乾燥させることで長期間の保存を可能にする一方、打ち立ての生めんのようななめらかでコシのある食感を追求した「生麺うまいまま製法」が特徴で、俳優の役所広司さんが出演するテレビCMも話題となり、100億円を売れば大ヒット商品とされる袋めんで、12年6月末時点で1億食を販売。当初の販売目標である年間100億円(小売価格ベース)を上回り、年間目標を200億円に上方修正するほどの大人気商品となった。
12年10月31日に発表された東洋水産の「平成25年3月期 第2四半期決算」によると、国内即席めん事業について、カップめんは減収となったが、袋めんは「マルちゃん正麺」の好調な売り上げにより大幅な増収となった。その結果、売上高が前年同期比9.3%の約493億円となった。
「マルちゃん正麺」は12年8月には塩味が新たに加わり、これも好評を博している。今回のランクインでますます注目を集めそうだ。