所得が低い人向けの支援策も検討
また、国交省案では、所得が低い人は所得税が少なく、一定の所得がある人たちと同じレベルの住宅ローン減税の恩恵が受けられないケースがあるとして、こうした人たちに配慮するため、現金給付による支援策も検討する必要があると指摘。さらに、住宅を取得する時にかかる登録免許税や印紙税、不動産取得税はいずれも非課税とすべきだとした。
国交省案は、市場の混乱を避けるため、こうした具体的な負担軽減策を早急にまとめ、2012年末までに消費者に明示するべきだと強調した。
1997年4月に消費税率が3%から5%に引き上げられた前回の増税の際も、1997年度の新設住宅着工戸数が前年度比17.7%減にと大幅に落ち込むなど激しい反動減が生じ、住宅市場の悪化が景気冷え込みの大きな要因になったとの指摘は少なくない。
「前回のような駆け込み需要とその反動で大幅な住宅着工の落ち込みが発生する恐れがある」(国交省)との声は大きく、住宅関連業界からも十分な対策を求める声が日々強まっている。ただ、手厚い住宅ローン減税は大きな税収減につながりかねず、これを懸念する財務省は慎重な姿勢を崩していない。国交省案がそのまま通る可能性は低い。