映画「スターウォーズ」などの制作会社・ルーカスフィルムを、米ディズニーが買収した。そして、スターウォーズの新作「エピソード7」を2015年に公開すると発表した。
一体どんなストーリーが新たに語られるのか、さっそく注目が集まっている。
実は、ジョージ・ルーカス監督は以前から新たな「3部作」について話していた。また、ファンからは小説の映像化ではとの見方も出ている。
1980年代から語られてきた「幻の3部作」
2012年10月31日、米ディズニーが、約40億5000万ドル相当でルーカスフィルムを買収したと発表した。あわせて、ルーカスフィルムの代表作「スターウォーズ」シリーズのエピソード7から9までを制作すると明かした。このうちエピソード7は2015年に公開すると言う。
「スターウォーズ」シリーズは、アナキン・スカイウォーカー(ダース・ベーダー)とその息子、ルーク・スカイウォーカーの2代にわたるジェダイとシスの抗争を、宇宙を舞台にした壮大なスケールで描き、世界中で人気を博した。一般には、2005年の「エピソード3 シスの復讐」公開で全6部作が完結した、と思われていた。そのためネットでは、このニュースに驚く人も多い。
しかし、ファンからは「やっとか」と言う反応がほとんどだ。実は旧3部作がヒットした1980年代、ジョージ・ルーカス監督はスターウォーズを「9部作」として考えていた。そのため、「幻の3部作」、エピソード7~9の構想はさまざまなところで断片的に語られていたのだ。
過去の監督の発言によれば、エピソード7はエピソード6の20~40年後に始まる。ストーリーは、帝国との戦いで疲弊した共和国の再建を描くもので、「家族の物語」になるそうだ。メインテーマには倫理・哲学的な問題があると言う。また、ルークがある女性とロマンチックな関係になるというエピソードなども考えられていた。登場人物については、9作品すべてに出るのは、ドロイドのR2-D2とC-3POのみになるということだった。
ただ、これらの発言はいずれも80年代にされたもので、1999年から作られた「新3部作」との矛盾も多い。
ファンはスピンオフ作品の映像化を有力視
ファンの間で有力なのは、「スピンオフ」作品を映像化するのではないかと言う見方だ。「スピンオフ」は、スターウォーズの世界観やキャラクターを使った小説や映像作品で、ルーカスフィルム公認のもと制作されてきた。
その下馬評では、ティモシィ・ザーン氏の「スローン3部作」がとりわけ人気を集めている。
舞台は「エピソード6 ジェダイの帰還」の5年後の世界だ。ルークの活躍により首都惑星コルサントを奪回した反乱同盟軍は、新共和国の樹立を宣言。レイア姫はハン・ソロと結婚して双子を妊娠し、外交官としても活躍していた。ところが、銀河帝国の残党にして軍事的天才と名高いスローン大提督が新共和国打倒を掲げて蜂起する。そして、帝国との新たな戦いが始まる、という筋書きだ。ちなみに、ルークはこの作中で出会ったマラ・ジェイドという女性と結婚することになる。
ザーン氏の作品はファンの間でも人気が高く、書かれたことは映画の公式設定とほぼ同様に扱われている。実際、アメリカのネットでは発表を受けて「誰がマラ・ジェイドを演じるの?」といった疑問も出ていた。
ただ、まったく新たなオリジナルストーリーが創られる可能性も十二分にある。ファンにとっては、続報が待ち遠しいところだ。