SBI証券に金融検査 FACTA記事と関連はあるのか?

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   SBIホールディングス(HD)傘下のSBI証券に、証券取引等監視委員会の金融検査が入った。

   SBI証券への金融検査は、3年2か月ぶり。証券監視委が検査に入ることを事前に知らせる「予告検査」として着手しているが、SBIグループをめぐっては総合情報誌FACTAが2012年4月号から毎号、粉飾決算疑惑を追及していることもあり、成り行きが注目されるところだ。

SBI・HDに検査が及ぶ可能性もある

SBI証券はホームページで、証券監視委が検査中であることを明らかにしている。
SBI証券はホームページで、証券監視委が検査中であることを明らかにしている。

   SBI証券への検査について、証券監視委は「個別の事案についてはお話できることはありません」としている。

   ただ一般に、証券会社などへの金融検査の場合、「通常は前回検査からの期間や検査の必要性、優先順位などを見ながら検査時期を判断しますが、必要があれば(前回との)期間が短くても検査に入ることはあります」と説明。また、検査は業務や財産状況をみるために親会社にあたる持ち株会社や他の子会社、業務委託先へも立ち入ることができるとしている。

   そのため、今回のケースでも親会社のSBI・HDをはじめ、グループ会社に検査が及ぶ可能性がある。

   金融検査についてSBI証券はホームページで、前回検査から3年2か月と期間があいたことや証券監視委から事前に「一般検査」として実施する旨の予告があったことを明らかにしている。

   SBI証券は通常の定期的な検査と受けとめているようだが、金融検査について当事者が「検査中」であることを明かすこと事態が異例なことでもある。

   一方、2012年10月29日付のFACTA onlineは「阿部重夫発行人ブログ」で、SBI証券に証券取引等監視委員会が金融検査に入ったことを「至急報」として伝えた。

   同誌は4月号で、「SBIホールディングス『連結外し』隠蔽」を報じて以降、毎月SBIの疑惑追及の記事を掲載し続けている。

   その内容は、SBI・HDが香港証券取引所に上場する際、当時債務超過だった子会社を22億円であるファンドに売却。そのファンドがSBIグループから融資を受けている疑惑があることから、子会社を連結から外すために行った「飛ばし」の可能性があると指摘したものなどだ。

「事実無根」SBI、FACTAを訴える

   これに対してSBI・HDは2012年3月8日に、初報にあたるFACTA1月号の記事について、ファクタ出版と代表取締役の阿部重夫氏に対して不法行為等に基づく損害賠償と謝罪広告の掲載等を求める訴訟を東京地裁に起こしたと発表した。

   さらに8月18日には、FACTA9月号「北尾SBIに監視委『引導』へ」の内容について「事実無根である」と発表。8月21日には名誉毀損による損害賠償請求などを別途、東京地裁に提訴した。

   3月に起こした訴訟はすでに4回の公判を終え、8月の訴訟は「10月中に初公判が終わった」(SBI・HD)ところだ。

   SBI・HDは、「(係争中も記事が掲載されているが)取材もなしに、一方的に誹謗中傷を繰り返している。記事は事実無根です」と主張している。

   なにしろ、かつて「フジテレビVSライブドア」の買収騒動のときにホワイトナイトを買って出た北尾吉孝CEO率いるSBI・HDと、光学大手のオリンパスの粉飾決算を暴くきっかけをつくったFACTAの「対決」である。ネットではBLOGOSや日刊「闇株新聞」なども取り上げており、関心の高さがうかがえる。

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