野田佳彦首相が、民主党衆院議員との会食で「好きな吉野家に今入れず、『牛丼の具』を取り寄せている」と明かした。
1000円カットを利用したり、「山田うどん」にもよく訪れていたりと、以前から庶民的なエピソードが明らかになっていた野田首相。支持率が一段と低下している時期だけに、ネット上では「また庶民アピールか」など醒めた反応が目だっている。
「通販で牛丼の具を公邸に取り寄せている」
野田首相は2012年10月29日夜、当選1回の民主党衆院議員約20人を公邸に招いて会食した。
10月30日付の読売新聞朝刊には、出席者の話として、首相が「あまり外でご飯を食べると、SPがかわいそうなので、外に行かないようにしている」、「牛丼が好物なんだが、吉野家には今、入れないので、通信販売で『牛丼の具』を首相公邸に取り寄せて食べている」と語っていた、と書かれている。
涙ぐましい庶民派エピソードに思えるが、この記事を紹介した30日放送の「みのもんたの朝ズバッ!」(TBS系)では、「サンデー毎日」編集長の潟永秀一郎氏が「食べたければ(首相を)辞めりゃいいんじゃないでしょうか」と冷たい一言を放ち、スタジオを凍りつかせていた。
「本当の庶民は牛鍋丼を食べるんだよ!」
野田首相は就任当時の11年9月、1000円カットの美容室「QBハウス」を利用していると話題になった(現在は高級店で散髪していると言われている)。また、実弟がワイドショーのインタビューに「山田うどんや吉野家など、ああいうところが好きですね」とも語っていた。低価格が売りのイタリアンチェーン「サイゼリヤ」にもよく訪れていたようだ。11年10月の資産公開では1774万円で、1989年以降、首相の就任時では過去最少だったこともあり、「庶民派首相」と話題になった。
しかし、このところ各種の世論調査では首相や民主党に厳しい数字ばかり。インターネット上では、「吉野家」エピソードを聞いて「庶民派をアピールしようとしてるのがミエミエ!庶民は牛鍋丼(牛丼より100円安い吉野家のメニュー)なんだよ!」「テイクアウトできること知らずにこういう庶民に媚びたこと言ってんだろうな」や、「一国のトップなんだから、一流のもの食べて一流の仕事をしてほしい」など、批判的に見る人が多い。