ハロウィンの10月31日を前に、様々な仮装姿で街に繰り出す人が増え、ツイッターなどで話題になっている。目を楽しませる効果はありそうだが、トラブルも出てきているようだ。
東京・渋谷の交差点に、テレビの特撮ヒーローのような面々がずらり並んで――。週末日曜日の2012年10月28日、こんな写真がツイッターに投稿され、驚きが広がった。
「コスプレの普及がきっかけになった」
この面々は、テレビの企画ではなく、ハロウィンのために集まったコスプレ集団らしい。
ハロウィンは、もともとはヨーロッパ由来のお祭り行事で、お化けカボチャを飾ったり、子どもたちが仮装姿でお菓子をねだったりして楽しむ。それが、1990年代ごろから日本にも採り入れられるようになり、最近になって、爆発的に全国各地に広まった。
ツイッターやフェイスブックなどでは、ここに来て、様々な仮装の様子が投稿されている。かなり凝ったものも多く、人気アプリ「ライン」の顔スタンプのキャラクターや映画館でお馴染みの「NO MORE 映画泥棒」に扮した人たちなどが人気を集めていた。
各地でイベントも盛んになっている。国内最大級の「カワサキ ハロウィン」仮装パレードでは、神奈川県のJR川崎駅東口周辺で10月28日、様々なコスチュームの約3500人が行進し、約10万人もが見物に繰り出した。
ハロウィンが大ブレークした理由について、「カワサキ ハロウィン」主催者側のチッタエンタテイメントでは、担当者がこうみる。
「参加者に変身願望があるのではないでしょうか。コスプレの普及がきっかけになった可能性があります。だれかになりたい、見せたいという気持ちです。とにかく自由がいいんですよ。傾向がないのが傾向かもしれませんね」
電車の中などでもハロウィンの仮装姿が普通に見られるようになった一方で、トラブルなどもネット上で報告されている。
「警察に『交通ルールは守りなさい』」
「ハロウィンはコスプレの日ではないし、これは明らかに通行の邪魔」「仮装のまま騒いでてパトカーがかなり来てた」「警察に『交通ルールは守りなさい』と怒られていたww」…
前出のチッタエンタテイメント担当者は、パレードでは大きなトラブルはないとしながら、こう漏らす。
「商業施設のトイレで着替えたり、仮装後のゴミが出たり、いろいろなことはあちこちで起きています。ホラー系のコスチュームでは、子どもたちが泣いてしまったりしますし。盗撮などにも気をつかいますね。しかし、ほとんどの人たちは、イベントが続けられるように、ぎりぎりのところでマナーを守ってくれています。われわれも、心から楽しんでいるのが分かりますので、苦労しても頑張ろうという気持ちになるんですよ」
トラブルと言えば、これまでは、外国人らによるハロウィンの日のJR山手線ジャックなどに限られていた。この行為では、お酒を飲むなどして数百人が電車内で騒ぎ、中には警察に逮捕された人もいた。
今回も騒ぐ可能性があるのだろうか。この点について、JR東日本の広報部では、「ネット上の参加呼びかけなどの情報は入っていません。今のところ当日警戒する予定はないですが、今後情報が入れば警戒態勢を取る可能性はあります」と言っている。