ミカンの価格下落で需給調整 好天で市場への出荷多く、3年ぶり発動

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   ミカンが好天のため市場に出回りすぎ、価格下落を招いたとして、農林水産省と生産出荷団体による需給調整が2012年10月20日から31日まで全国で行われる。果実のうち、農水省は生産量と価格変動が大きいミカンとリンゴについて、「緊急需給調整」と呼ばれる保護制度を設け、価格安定を図っている。

   ミカンに対する緊急需給調整の発動は2009年以来3年ぶり。このようにミカンの生産農家を保護する制度があることは、マスコミが大きく報じないこともあり、一般にはあまり知られていない。

一部を加工用に振り向け、生食用の値崩れ防ぐ

   ミカンの生産出荷団体「全国果実生産出荷安定協議会」によると、10月初旬のミカンの卸売価格は1キロ当たり172円で、需給調整の発動基準(過去6年間の平均卸売価格の80%の水準)を下回ったため、農水省に発動を要請した。2012年は好天に恵まれ、ミカンの出荷量は前年を3割以上上回った。ミカンの生産量そのものは例年並みで、必ずしも豊作ではないが、好天のため出荷が早まり、この時期としては市場に大量に出回ったのが価格下落の原因という。農水省は「流通在庫が極めて多く、出荷量を抑制して価格低下を防止すべきだ」と判断し、緊急需給調整の発動を決めた。

   需給調整の仕組みはこうだ。ミカンは生食用と、ジュースや缶詰など加工用に振り向ける割合があらかじめ決まっているが、農家にとっては加工用よりも生食用の方が取引価格は高く、出荷量も多い。そこで、生食用の一部を加工用に振り向け、生食用の値崩れを防ぐ。

   今回の需給調整は、同協議会が31日までの調整期間中、ミカンの出荷計画の13%に当たる3000トンを生食用から加工用に振り向け、市場への出荷量を抑制するというもの。生産農家が加工用に振り向けた分の損失については、1キロ当たり34円の補給金が支払われることになっており、半額を政府が負担する。

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