「中国よ、驕るなかれ」英教授が論文 大国意識が東南アジアの反発招く

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   英名門大学の歴史家が、中国が近年東南アジア諸国と領土をめぐってあつれきを深める姿勢を問題視する記事を米メディアに寄せた。

   尖閣諸島問題の影響で日本との関係が冷え切ったままの中国だが、東南アジア諸国からは、「大国」の顔をして尊大にふるまう態度が怒りをかったという。

「中国は大国、あなたがたは小国だ」

北京の天安門広場
北京の天安門広場

   「中国へ:大きさがすべてではない」という題名で米ブルームバーグに寄稿したのは、英ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスのオッド・アルネ・ウェスタッド教授だ。ノルウェー出身の世界史の学者で、中国をはじめアジア史の著作が多い。2012年10月18日付の寄稿では、中国と東南アジアの関係悪化の過程と原因を追っている。

   東南アジア諸国連合(ASEAN)と中国は2010年、自由貿易協定を発効させた。外交や貿易で順調だった双方の関係がこじれた原因は、同年にベトナム・ハノイで開かれた地域フォーラムにおける中国の楊潔チ外相の発言だったと教授は指摘する。

   ASEANは、長年懸案となっている南シナ海での領土問題に米国を仲介役にすることを要望した。これに不快感を示したのが楊外相。「我々の間には、基本的に大きな違いがあります」と前置きした後で、「中国は大国、あなたがたは小国だ」と言い放ったというのだ。かつて中国と戦火を交えたベトナムや、人口2億5000万人とASEAN最大のインドネシアの政治家は「こんな扱いを受けるとは」と怒り心頭だったという。

   以後、両者の関係は急速に悪化。中国は南沙諸島など南シナ海でベトナムやフィリピンに強硬な措置をとる。一方でカンボジアやミャンマーといった経済的基盤がまだ十分でない国への食い込みに躍起だ。ASEANでは「中国が東南アジアを解体する」との脅威論が高まり、警戒感を強めている。

   過去の歴史を紐解けば、中国はアジアで特別な地位にあり、周辺諸国は中国を「大国」として扱うべき――。このような姿勢だからASEAN各国から敬意を持たれないと批判、「中国は、外交は著しく未成熟で、地域のリーダーの役割を果たせる準備は整っていない」と断じた。自己の欲求を満たそうとするために近隣諸国と対決姿勢をとる。これではグローバルパートナーとして認められるはずがないと厳しい。

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