楽天の電子書籍リーダー「Kobo Touch」(コボ タッチ)が注文していないのに届く、という事態が同時多発的に起こりネットで話題になっている。
楽天が「楽天カード」のプレミアム会員に、プレゼントとして送っているようなのだが、受け取った人の一部からは、「頼んでいないものを送られても」という声も出て、「koboる」という動詞まで生まれてしまった。
異例とも言える「プレゼント」で、楽天は何をしようとしているのだろうか。
高価すぎるプレゼントにびっくり
日本の電子書籍業界に一石を投じたkoboだが…
2012年10月24日、あるユーザーが「楽天銀行カード作ったら、koboをタダで送ってきた」とツイッターに投稿すると、数時間のうちに同様の報告が相次いだ。
「kobo Touchが出荷されたらしいけど買った覚えがない。と 思ったら会員様プレゼントと記載されてた」
「ヤマト不在メール見て目玉飛び出た。楽天から『kobo Touch(会員様向けプレゼント)』という品名を送り付けてキタ」
「なんか今日楽天カード会員用とかいって勝手に送りつけられた、、、 」
どうやら、楽天カードのプレミアム会員の一部に、プレゼントとして電子書籍リーダー「kobo Touch」を送っているということらしい。楽天カードのプレミアム会員の年会費は1万500円で、「kobo Touch」の定価は7980円だから、普通では考えにくい高価なプレゼントだ。そのため、「楽天さんはよ」「koboくれるなら喜んで貰うで(・∀・)」と催促する声もネットでは出た。
ただ、届いた人の間では、困惑する様子も複数見られた。「何の前置きも無いのは怖い」といい、実際受け取り拒否しようとした人もいる。
ついには、
「楽天カード会員に向けて勝手にkoboを送りつけるというテロ的配布、通称『コボる』という現象が発生しているらしい」
「頼んでない物を送りつける事を『Koboる』って言うのがはやりそう」
などと「動詞」まで作られる事態になった。
「在庫処分」「ユーザー数を増やすため?」
「kobo Touch」は7月19日に発売、1万円を切る低価格で日本の電子書籍業界に一石を投じた。しかし、専用の電子書籍ストア「koboイーブックストア」では日本語コンテンツ数が三木谷浩史社長のぶちあげた目標冊数に期限内に及ばず、最近では「kobo Touch」が50%引きで購入できるクーポンも配布されていた。
また、奇しくもkobo Touchが届き始めた同日には、Amazon(アマゾン)が独自の電子書籍リーダーおよびタブレット端末「Kindle」(キンドル)シリーズの日本国内での発売と、電子書籍ストア「Kindleストア」のオープンを発表した。なかでも、「Kobo touch」よりわずかに500円ほど高い「Kindle Paper White」(―ペーパーホワイト)は強力なライバルという見方もある。
こうしたこともあって、ネットには今回のプレゼントについて、「在庫処分」「ユーザー数を増やすため?」あるいは「新製品がでるのか」などと推測する人もいた。
楽天の広報は25日、J-CASTに対して、「日頃楽天カードをご愛顧いただいていることへの感謝の気持ち。グループ企業の製品ということで、ご活用いただければ」と意図を説明した。