NHKの石田研一放送総局長が、大晦日に行われる「紅白歌合戦」に韓国の歌手を出場させる可能性を示唆したとしてネットで大ブーイングが起こっている。NHKに対し出場を阻止するために「電凸」やメールを送ろう、などといった呼びかけや、出場が決まった場合「受信契約を破棄してしまえ!」という声も高まっている。
石田総局長は2012年10月24日の定例記者会見で、韓流歌手の出場について問われると、現在は検討中で決定してはいないが「政治と文化は違うというスタンスで、総合的に考えたい」などと発言した。
「政治と文化は違うというのがスタンスです」
昨年大晦日の「紅白歌合戦」には韓国から過去最多となる「少女時代」「KARA」「東方神起」の3組が出演した。日本での韓流ブームを考慮した選考だったが、今年8月、李明博大統領が島根県竹島に不法上陸しただけでなく、天皇陛下に対し謝罪を要求したと報道されたことで日韓関係が悪化。さらに、従軍慰安婦問題に絡めた韓国のメディアや韓国市民団体の日本バッシングが多発した。
こうしたなか、ネットでは「今年の紅白歌合戦に韓国人歌手の出場はない」と考える人が多かった。特に、松本正之NHK会長が9月6日の記者会見で、今年の紅白について
「日本人が自信を持って新たな一歩を踏み出そうというメッセージを伝える」
と語ったことがきっかけになり、「紅白、KARA、少女時代 追放」(東京スポーツ10月2日付)などと報じるメディアもあった。
しかし事態は一変し、10月24日の記者会見で石田放送総局長が韓国歌手の紅白出場に対し
「政治と文化は違うというスタンスで、総合的に考えたい」
などと発言したと報じられ、「韓国人歌手を出すという宣言か?」とネットには批判の声が広がった。
メディア予想は男性1組、女性1組が紅白に登場
掲示板やブログには
「なにこの韓国人歌手を紅白に出すのが当然みたいな流れ、うざいわー、気持悪いわー」
「一年の最後の最後に、日本国民の気分が害されます」
「どこの国の放送局だよ。放送免許取り消せよこんな売国局が」
などといった書き込みが溢れ、
「受信料徴収されて、さらに大嫌いな韓国人見せられるとか。どんな拷問ですか?」
などとして、NHKに抗議しようという呼び掛けが始まったり、もしも韓国歌手の出場が決まったら、受信契約をやめると息巻く人もいる。
NHK広報に話を聞くと、今回の記者会見で石田放送総局長が記者の質問に対し語ったのは、あくまで「誰が出場するのかは決まっておらず発表できない」ということだったと明かした。また紅白の問題とは別に、石田放送総局長の思いとしては、日韓、日中で様々な問題はあるが、政治と文化は違うものと考えているし、国民の感情も様々なため、政治でもめているからといってストレートに放送内容と結びつけるのはよくない。韓流ドラマも予定通り放送されている、ということだとNHK広報は説明した。
韓国人の出場に関してはこれからも様々な議論を呼びそうだが、「週刊新潮」は12年11月1日号で、
「男性1、女性1という形で出場させるでしょう。去年より減らしました、という言い訳になります」
というジャーナリストの平林雄一氏のコメントを掲載している。出場歌手の発表は11月20日過ぎから12月上旬になる予定だ。