大阪にも「半グレ」集団か ミナミでトラブル、警察が動き出す

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   ヤクザと堅気のはざ間のグレーゾーンに身を置いて、暴力団顔負けの傷害事件や非合法ビジネスを繰り返す「半グレ」集団。警察ではその典型を東京・六本木を拠点にする「関東連合」と見ているが、関西方面でも近年、地域の半グレ集団が関与した暴力事件が相次いでいるという。

   「半グレ集団は大阪にも根を張っていた」――。この事実を印象付けたのは2012年10月21日、大阪府警南署による関係者の逮捕だった。

格闘技団体メンバーが集団暴行

    産経新聞などによると、傷害容疑で逮捕されたのは大阪市浪速区の格闘技団体「強者(つわもの)」の運営関係者(41)。今年6月30日未明、大阪・ミナミの駐車場で、口論となった男性(39)ら4人に対し、10人程度で殴る蹴るの暴行を加え、顔面骨折を含む重軽傷を負わせたとされる。23日に大阪地検に送検されたが、同紙は「半グレか ミナミの『強者』幹部を送検」と見出しでうたった。

   報道によると「強者」は所属メンバー30~40人で、アマチュアの若者による「地下格闘技」イベントを関西を中心に開催。ミナミでは今年夏ごろから、「強者」のTシャツを着た集団が「みかじめ料」を飲食店に要求したり、格闘技大会のチケット購入を迫るなどのトラブルが起きていた。

   暴走族OBらで構成され、暴力事件のほか、ヤミ金や振り込め詐欺、貧困ビジネスにも手を染めるとされる半グレ集団。暴力団に所属した過去を持たないため、警察に構成メンバーらの蓄積データはほとんど存在せず、暴力団対策法や暴力団排除条例の対象外であることから、暴力団を尻目に勢力を拡大しているという。

   関東ではこれまで半グレの関与が取りざたされる主な事件として、2011年12月に東京都港区内の飲食店で約20人が山口組系幹部ら4人をビール瓶で殴るなどした暴行事件に加え、市川海老蔵氏への暴力事件、さらには今年9月上旬、六本木のクラブで男性が約10人に鉄パイプなどで殴られ死亡した事件などがあり、世間を騒がせてきた。

「半グレは全国各地で巣食っている」

   今回、大阪で半グレ集団による犯罪行為が事件化したことについて、暴力団や半グレ問題に詳しいノンフィクション作家の溝口敦氏は「警察が有効に取り締まる法律がないため、東京や大阪だけでなく、半グレ集団は全国各地に存在している」と明言する。

   ただ、「暴力団とは違って各集団の横の連携などはなく、それぞれが独立して存在している」と述べた上で、「半グレ集団に定義づけをできるとしたら、暴走族のOB組織ということくらい。年齢層も10代後半から40代まで幅広く、今回逮捕された容疑者の41歳という年齢も半グレ集団の幹部であるなら違和感はない」と言う。

   暴排条例などで暴力団が動きを縛られている今の時代、一般人が今後、暴力団よりも警戒すべきなのは半グレ集団なのかもしれない。

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