法政大学で学内の飲酒規制などに反対するデモが行われ、ツイッターなどで話題になっている。大学側は、「多くの学生・教職員は冷静に受け止めています」と言っている。
「いろんなことして、搾取してるんだ、コイツらは! 皆さん、ともに戦いましょう!」
2012年10月19日昼過ぎに東京・市ヶ谷キャンパスで行われたデモは、警察も大学周辺に出動する大騒ぎになった。護送車が4台も出たといい、近隣の大学にも拡声器の怒声が響き渡ったほどだ。
「武装蜂起するぞ!」「結集せよ!」とツイート
デモのきっかけは、大学が度重なる飲酒事故などに手を焼き、11年4月に学内での飲酒を原則禁止にしたことがあるらしい。その後、法政大学文化連盟や中核派系のメンバーらが、大学当局に抗議行動を行ってトラブルが繰り返された。
メンバーらは、大学や警察から長年弾圧を受けたと不満を持っており、ビラまきや集会も制限されたと主張して、今回のデモを計画したようだ。
当日は、全共闘時代をほうふつとさせる異様な雰囲気だった。文化連盟がツイッターで、日米開戦時の海軍暗号電文だった「ニイタカヤマノボレ」と告げると、メンバーらが続々正門前に集まった。
そして、正門が封鎖されると、「武装蜂起するぞ!」「結集せよ!」とツイートし、大学当局と押し問答を始めた。その模様は、周辺にいた学生らにツイッターで実況中継された。
「法政の校内放送が学生運動に乗っ取られたw」「暴れてるなう!校内に入って来てるなう!メガホンなう!」「デモ主導者が抑えられて引きずられて強制排除された」…
一方で、「うちの大学は昭和何年なんですかね(´Д`)」「法政大学名物学生運動です!私は参加してませんwww」と冷ややかな反応もあった。
メンバーらの主張についても、ネット上では、疑問視する向きが多い。
「ルールを決めるのは誰なのかということを問題にしている」
「学祭終わった後、外で好きなだけ飲めや」「酒飲んでないで勉強しろw」といった指摘が相次いでいた。
また、法大生はメンバーのごく一部で、ほとんどは学外から来たとみられている。
法政大の広報・広聴課では、デモをしたのは「学外の集団」としたうえで、飲酒規制の理由について、こう理解を求めた。
「さまざまな主張に十分配慮した運用を行いますが、特定の集団のみと話し合う予定はありません。多くの学生・教職員は今回のルールを冷静に受け止めています」
ビラまき要求については、「本学学生ならびに学内団体は一定の手続きのもと掲示等を行っておりますが、学外者および学外団体によるキャンパス利用や掲示は原則として許可しておりません」とした。また、正門封鎖についても、「これらの集団やその同調者は、これまでも本学に対して組織的に業務妨害行為を繰り返しており、本学及び本学学生・教職員等の被害防止や安全確保のため、必要と認められる間、正門を閉鎖する等の措置をとっております」と理解を求めている。
飲酒規制反対について、法政大学文化連盟は、取材依頼に回答などをしてこなかったが、ツイッターで「飲酒がしたいんじゃない。飲酒を含め、ルールを決めるのは誰なのかということを問題にしている」と説明した。ただ、「この現実がどこから来るかといえば資本主義の問題。だから我々は・・・学生のプチブル的な権利問題に全社会的な問題を見出す」と言っている。