パソコン、「ウィンドウズ8」商戦スタート タブレットとの「併用型」相次ぐ

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   2012年末のパソコン商戦に向けた国内メーカー各社の新商品発表が出そろった。各社とも10月26日発売の米マイクロソフト(MS)の新たな基本ソフト(OS)である「ウィンドウズ8」を搭載し、同日から順次、発売する。

   ノートパソコンについては、キーボード部分を収納することなどでタブレット(多機能携帯端末)としても使える「1台2役」タイプの投入が目立つ。ウィンドウズ8の最大の特徴である、指で画面に触れて操作するタッチパネル機能を生かすためで、パソコンとタブレットの壁がどんどん低くなってきている。

10数万円の価格帯で競う

   10月19日には国内パソコン出荷シェア上位のNEC(1位)、富士通(2位)、東芝(3位)の3社が一斉に新製品を発表した。このうち、富士通の記者会見では、斉藤邦彰執行役員が「ノートパソコンとしても、タブレットとしても使える」と今回の目玉商品である「STYLISTIC QH77」(16万円強)を説明した。特徴はまさに1台2役で、キーボード部分と画面(11.6型)部分を切り離すことで、画面部分をタブレットとして使うことができる。

   ウィンドウズ8を搭載したパソコンの年末商戦では、こうした商品のオンパレードだ。東芝の「dynabook R822」(約15万円)は、画面(12.5型)部分をスライドさせ、キーボードにふたをするような形にすると、タブレットに早変わり。ソニーの「VAIO Duo11」シリーズ(主力機は15万円前後)も、画面(11.6型)をスライドしてキーボードを収容することでタブレットに変形する。

「ハイブリッドパソコン」と名づける

   パナソニックの「Let's note CF-AX2」シリーズ(約16万円から)も、画面(11.6型)を外側に向けてたたむとタブレットとして使用可能だ。NECはウィンドウズ8の派生ソフトでより携帯端末に適したOS「ウィンドウズRT」を搭載した「LaVie Y」(9万円前後)を投入。360度回転する画面(11.6型)を動かしてノートパソコンとタブレットの1台2役にできる。フォトフレーム(写真立て)のような形態でも使えるとアピールしているが、そんな使い方をする人がいるかどうかはよく分からない。

   各社の新製品の多くは、米インテルの高性能なCPU(中央演算処理装置)を搭載する薄型軽量の「ウルトラブック」と呼ばれるタイプでもある。ウルトラブックは一般的に厚さ2センチメートル以下で、7秒以下の高速起動などが特徴。薄型軽量化は「1台2役」化にとって欠かせない性能だけに各社とも導入を競っているわけだ。

   こうした、ウルトラブックとタブレットが一体となった機器は業界では「ハイブリッドパソコン」とも呼ばれ始めており、高機能端末の1ジャンルを形成する可能性もある。「机の上で長時間使用するにはやはりキーボードを使いたい」というニーズも根強いためだ。こうしたメーカー側の思惑を消費者がどう判断するか、年末商戦の行方が注目されている。

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