注目されるイオンのリート参入
さらに、政府がリート投資を後押ししていることも好調の要因。2012年7月末に閣議決定された「日本再生計画」では、20年までにJ-REIT市場の資産規模を11年対比で倍増する目標が掲げられている。
日本銀行の資産買い取りも、リート資産については10年10月に500億円だったものを段階的に引き上げ、12年4月には1200億円にまで上げた。日銀はこれまで、917億円のリート資産を買い入れている。
2013年に予定されている投資信託法の改正では、自己投資口の取得(過去に発行した自身の投資口の買い戻し=株式会社の自社株買いにあたる)や、株式の取得割合制限の撤廃(投資先企業の株式の過半数保有や海外不動産取得の実質解禁)などがあがっており、こうした制度改正が「材料視」されているようだ。
新規参入も活発になりつつある。なかでも運用会社を設立し、運用から物件管理までのすべてを「自前」で行う、小売業のイオンの参入は注目されていて、「イオンの上場がうまく行けば、リート市場に参入する企業が大きく広がる可能性があります」と、前出の関氏は指摘する。