野田内閣に対する支持率が2割を切り、ほぼ「危険水域」に入ったことが世論調査で明らかになった。さらに、調査結果の中で目立つのが、大阪市の橋下徹市長が率いる日本維新の会の急減速だ。発足直前は100~200議席獲得の見通しも伝えられていた維新の会だが、中小政党並みの支持率にとどまっている。
橋下市長は、自らの出自に関する連載を始めた週刊朝日と親会社の朝日新聞社を猛批判しており、世論調査もその前後に行われた。連載には多くの批判が寄せられたが、これらが維新の会への支持につながっていないことが浮き彫りになった形だ。
内閣支持率は「危険水域」
直近の週末に世論調査を行ったのは、朝日新聞社とNNN(日本テレビ系)。調査は朝日が10月20、21日、NNNが19~21日にかけて行った。
野田内閣の支持率は、朝日は前回調査(10月1日、2日)比5ポイント減の18%。
NNNでは前回調査(9月28日~30日)比7.0ポイント減の20.8%だった。内閣支持率は2割を切ると、「危険水域」だとされており、両調査からも、政権が末期に入っていることをうかがわせる。
世論調査では、政党に対する支持率を聞いている。週刊朝日が問題の連載の打ち切りを発表したのが10月19日で、その前日の10月18日の定例会見では、連載を理由に、親会社の朝日新聞社記者からの質問を拒否することについて、長時間にわたって議論されている。つまり、今回の世論調査の結果は、一連の問題を踏まえたものだと言える。
「日本維新の会」の政党支持率は、朝日新聞調べでは前回と横ばいの2%で、NNNでは0.8ポイント減の2.3%。朝日調査の2%という数字は、公明党、共産党と同じ水準で、「みんなの党」より1ポイント高い。NNNでは、自民、民主、公明に続いて、「みんな」と横並びだ。
3か月前の夕刊紙・週刊誌は100~200議席獲得を予想していた
「維新の会」が国政進出は発表する1か月半ほど前の7月下旬の時点では、週刊誌や夕刊紙は、「維新」が圧倒的多数の議席を予想していた。具体的には、週刊現代が203議席、夕刊フジが110議席を予想していた。だが3か月が経過した現時点では、合流してくる国会議員のメンバーの顔ぶれなどから失望感が広がり、他の中小政党と同水準の「ドングリの背比べ」状態に陥っている。
なお、二大政党の支持率は、朝日調べでは民主党が3ポイント減の11%、自民党が5ポイント増の26%。NNNでは、民主党が3.6ポイント減の14.0%、自民党が4.1ポイント減の29.3%だった。