財務省が2012年10月22日に発表した12年度上期（4～9月）の貿易統計（速報、通関ベース）によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は3兆2190億円の赤字だった。3期連続の赤字で、赤字額は11年度下期（2兆7257億円）を上回り、比較可能な1979年以降で過去最大だった。3兆円を上回ったのも初めて。
なかでも、欧州連合（EU）向けは経済低迷が響き、921億円の赤字と初の貿易赤字に転落した。
輸出額は前年同期比2.0％減の32兆1603億円と3期連続のマイナス。輸入額は2.6％増の35兆3793億円で5期連続プラス。火力発電向け液化天然ガス（LNG）が高止まりしていることに加えて、原粗油やスマートフォン（高機能携帯電話）などの通信機が増えた。
なお、財務省が同日発表した9月（単月）の貿易収支は5586億円の赤字だった。3か月連続の赤字で、赤字額は9月では過去最大だった。