三菱UFJ、三井住友が上から3番目のAa3格付け
こうした邦銀の攻勢の原動力が「高格付け」だ。バブル崩壊後の不良債権処理の遅れなどで財務を悪化させた邦銀も、公的資金注入や3メガバンク体制への再編などを経て体質を健全化させた一方、海外勢はリーマンショック以降の米住宅バブル崩壊と欧州の財政・金融危機でバランスシートを傷めた。このため、格付け会社ムーディーズによる格付けは、三菱UFJ、三井住友が上から3番目のAa3、みずほもその一つ下のA1なのに対し、欧米勢は6月にほぼ一斉に格下げされ、JPモルガンとHSBCがAa3、クレディ・スイスがA1に踏みとどまっているものの、ドイツ銀、ゴールドマンサックス、BNPパリバ、UBSがA2、バンカメとシティはA3になっている。
ただ、こうした「強さ」も、盤石とは言えそうもない。国内の資金需要が依然として上向かないため、少々海外向けを増やしても、追いつかない。12年6月末の日本の貸出残高は395兆円で、ここ数年、400兆円前後での低迷が続く。貸し出しがパッとしない中で、国債運用頼みの構造もすっかり定着している。