東京4位、ソウル6位、北京11位 世界都市番付、東アジア勢が好調

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   森記念財団が2012年10月11日に発表した2012年版の「世界の都市総合力ランキング」によると、2008年の調査開始から初めて、ロンドンがトップとなり、これまで首位を維持してきたニューヨークがロンドンと交代して2位に退いた。

   ロンドンは五輪開催に伴い、国際会議場や宿泊施設の整備などが進んだ結果、順位を上げたとみられる。また、ソウルや北京、上海が順位を上げるなど、アジア地域の都市の躍進が目立った。

世界の40都市を総合力で評価

   「住みやすさ」や「金融」などの特定分野ではなく、「経済」「文化・交流」「環境」「交通・アクセス」など都市の力を示す複数の指標を用いて、世界の主要40都市を多角的に評価しランキングとして示しているのが特徴だ。

   トップのロンドンは文化・交流や交通・アクセスなどの分野で高い評価を得た。ニューヨークの評価は前年と変わらず高かったが、ロンドンは五輪開催に向けた多彩な関連イベントが開かれるなど催しが豊富だったほか、海外からの旅行客を積極的に誘致した効果が数字に表れたようだ。

   3位パリ、4位東京は、いずれも前年から変動はなかった。東京は昨年3月に発生した東日本大震災の影響で、海外からの訪問者数が減るなどマイナス要素も少なくなかった。ただ、経済や環境の2分野の評価が世界トップだったことなどから、総合力では4位を維持した。東京以外の日本の都市では、大阪が17位、福岡が33位だった。

順位上げた中国だが、環境面の評価は低い

   今回の調査で際立ったのは、アジア勢の上昇ぶりだ。総合力5位は前年と同様にシンガポール、次いで6位はソウルで前年の7位から順位を一つ上げた。また、北京が11位(前年は18位)、上海が14位(同23位)で、いずれも順位を大きく上げ、トップ10をうかがう位置にまで浮上した。

   アジア都市の躍進は、高い経済成長が背景にある。分野別の評価で見ると、経済分野で北京は、東京、ニューヨークに続き3位。5位は香港、6位はシンガポール、7位は上海で、トップ10の半数をアジア勢が占めた。これに対し、北米勢はニューヨークを除き、経済分野では苦戦しており、ワシントンDCが10位、トロントが15位にとどまった。

   ただし、これは北京などが「住みやすい」ということではないようだ。アジア勢は経済分野以外では厳しい評価が少なくないのが実態だ。環境分野で、北京は最下位のモスクワをやや上回ったもののワースト2。上海は35位、香港も30位だった。交通・アクセス分野でも北京は28位。また、居住分野ではソウルが24位、北京が27位と上位にはとどかず、アジア勢が総合力で順位を上げて"先進国"の仲間入りする上での課題も浮かび上がった。

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