順位上げた中国だが、環境面の評価は低い
今回の調査で際立ったのは、アジア勢の上昇ぶりだ。総合力5位は前年と同様にシンガポール、次いで6位はソウルで前年の7位から順位を一つ上げた。また、北京が11位(前年は18位)、上海が14位(同23位)で、いずれも順位を大きく上げ、トップ10をうかがう位置にまで浮上した。
アジア都市の躍進は、高い経済成長が背景にある。分野別の評価で見ると、経済分野で北京は、東京、ニューヨークに続き3位。5位は香港、6位はシンガポール、7位は上海で、トップ10の半数をアジア勢が占めた。これに対し、北米勢はニューヨークを除き、経済分野では苦戦しており、ワシントンDCが10位、トロントが15位にとどまった。
ただし、これは北京などが「住みやすい」ということではないようだ。アジア勢は経済分野以外では厳しい評価が少なくないのが実態だ。環境分野で、北京は最下位のモスクワをやや上回ったもののワースト2。上海は35位、香港も30位だった。交通・アクセス分野でも北京は28位。また、居住分野ではソウルが24位、北京が27位と上位にはとどかず、アジア勢が総合力で順位を上げて"先進国"の仲間入りする上での課題も浮かび上がった。