一体改革関連法成立後「政権の惨状は目を覆うばかり」
野田首相は8月8日、自公との党首会談で、消費増税を柱とする社会保障と税の一体改革関連法案が成立したら「近いうちに国民に信を問う」と約束、2日後の衆院本会議で同法案の可決、成立にこぎつけた。ところが「近いうち」がいつなのか、明らかにしない。今回の党首会談でも首相は「言葉の重みは十分自覚している」と従来の発言を繰り返すにとどまった。会談後の会見で「だらだらと政権の延命を図るつもりはない」と話したが、具体的な時期は見えないままだ。
朝日の社説では今回の党首会談だけでなく、「一体改革関連法が成立した後の、野田政権の惨状は目を覆うばかり」と、政権担当能力をも疑問視している。最近では田中慶秋法相が、暴力団関係者との交際や外国人企業からの献金が取りざたされたうえ、「理由にもならない理由で国会審議を拒否」したことに「驚くばかりの無責任さ」「こんな閣僚をなぜ起用したのか」と首相の任命責任を問う。そのうえで、
「いまの野田政権は、政権の体をなしていない。そう批判されても仕方あるまい」
と断じた。
10月29日には臨時国会が召集される予定で、そこでは赤字国債発行法案をはじめ重要法案が目白押しだ。自公をはじめ野党の協力がなければ、成立どころか審議すらままならない。朝日は最後に、これらの法案を処理するために必要なら「自公両党が求める早期の解散も逃げてはならない」と、首相に詰め寄っている。