国内は横ばい、欧米ではヨチヨチ歩き
ただ、「2020年の売上高5兆円」に向けた課題も見えてきている。
まず足元の国内ユニクロ事業。2012年8月期の既存店売上高は前期比0.5%減と2期連続マイナス。営業利益は4%の減益で、柳井氏も「停滞期に入った」と認めざるを得なかった。「ニュース性のある商品が少なく、需要を喚起できなかった」(岡崎健・上席執行役員)ことも響いたようだ。今冬は暖冬との予報も出ており、保温・発熱機能もある肌着「ヒートテック」や軽量ジャンパー「ウルトラライトダウン」などの売れ行きへの影響が株式市場で懸念されている。こうした天候に左右されやすい体質も弱点と言える。
また、アジアでは成果が出始めているとはいえ、欧米ではまだ事業としてヨチヨチ歩きで利益も出ておらず、特に米国は赤字を脱していない。柳井氏は「ZARA」「H&M」「GAP」といった世界のカジュアル衣料大手と世界で戦うことを標ぼうするが、ライバルのホームグラウンドであり、服にお金を使う消費者の多い欧米で成果をあげられるかが問われているといえそうだ。