自民党の安倍晋三総裁と昭恵夫人が、そろってフェイスブックで週刊誌報道に「反撃」を試みている。
週刊誌の記事では、昭恵氏が東京・内神田に居酒屋を開店したことを紹介しており、昭恵が客を見送る際に「店外で千鳥足の醜態を晒した」と暴露している。また、「仮面夫婦」説も唱えている。
これに対して、晋三氏は、週刊誌から送られてきた質問状の内容を公開し、昭恵氏は「週刊誌も売らなくてはならない、記者の方もお仕事だと思います」などと皮肉った。
「次期ファースト・レディーたる自覚や威厳は微塵も感じられなかった」
記事は、首都圏では2012年10月18日に発売された「週刊新潮」10月25日号に、「寂しき『未来のファースト・レディー』 裏路地の居酒屋女将になった 『安倍昭恵』の隙間風」と題して3ページにわたって掲載されている。記事では、昭恵氏が店の外で酔っている写真を掲載し、
「まるで、客に勧められるがままに呑み続けてしまった地方スナックのホステスの図である。そこには、次期ファースト・レディーたる自覚や威厳は微塵も感じられなかった」
と批判。晋三氏が総裁選で多忙を極めていた時期についても
「鼻歌混じりに掃除がゴミ捨てといった開店準備に勤しんだのである」
と、晋三氏との不仲を示唆する記述もあり、
「実は2人は仮面夫婦なのではないかと危惧する関係者は少なくないのである」
とも指摘している。
この記事を受け、晋三氏の事務所では、10月18日夕方、週刊新潮から5項目にわたって送られてきた質問状と、それに対する答えをフェイスブックに公開した。それによると、新潮の、
「総理夫人候補という、国家にとって非常に重要なお方が飲食店を経営し、時にはお酒に酔い、路上で酔態を見せることもある状況は、安全面等でいささか不安な点もあるかと存じますが、安倍様のご見解をお聞かせください」
という質問については、
「本人は当然、お店では飲食はしていません。ただ、土曜日に山口県関係者だけが集まり、お店スタートのお祝いの会でお酒を飲んだということです。私と違い、家内はお酒を嗜み、時には酔うこともあるでしょう。そこを含めて愛するべきものと思っています」
と回答した。
記事に書かれた事実関係には反論せず
だが、この部分は新潮の記事では使われておらず、実際に記事に使われたコメントは、
「私自身は、家内がお店を開けば、とにかく誹謗中傷が出るであろうということで慎重に考えた方がいいとも思いましたが、しかし家内が取り組もうとしている方向は間違っていないと思っています。夫婦間の意見の違いについてのご指摘ですが、どうぞご心配なく」
というもの。フェイスブックで公開された回答で、実際に記事に使われたのは
「夫婦間の意見の違いについてのご指摘ですが、どうぞご心配なく」
という1文だけだ。
この状況に、書き込みでは、
「『何故わざわざ質問状を送ってきたのだろうか?』と考えてしまう程、掲載記事にはこのやり取りは反映されていません(笑)週刊誌の記事とは報道ではなく、小説に近いものだということを改めて実感いたしました」
などと記事を皮肉っているが、記事に書かれた事実関係については反論していない。
昭恵氏も、10月19日に、
「週刊誌に何かを書かれたからと言って、落ち込むことはあっても泣いたりはしませんが、皆さんからの暖かい応援コメント、メッセージ、メールは本当に嬉しく、涙が溢れました。週刊誌も売らなくてはならない、記者の方もお仕事だと思います」
と書き込んでいる。