iPhone生産のフォックスコンで違法雇用 14歳の生徒に徹夜作業、病欠も許さず

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   米アップルの「アイフォーン(iPhone)」をはじめ、大手メーカーの電子機器の受託生産を手がける台湾の富士康科技集団(フォックスコン)が、就労年齢に達していない子どもを不法に雇っていたと非営利の監視団体が公表した。

   フォックスコンはこれまで、従業員の自殺が相次いで労働環境が問題視されたり、工場内での暴動やストライキが発生したりしている。今回「児童労働」を指摘された工場では、任天堂のゲーム機を製造していたようだ。

工場を解雇されると学校は「退学処分」

フォックスコンでは「iPhone 5」を製造
フォックスコンでは「iPhone 5」を製造

   非営利団体「チャイナ・レーバー・ウォッチ」(CLW)は2012年10月15日、中国山東省煙台にあるフォックスコンの工場が2011年夏、16歳以下のインターンを雇用していたとの調査結果を発表した。CLWは中国の労働事情を監視する団体だ。これまでにフォックスコン以外にも、韓国サムスン電子の製造工場で子どもを違法に就業させていたとの報告書を9月に公表している。

   翌16日には、中国国営ラジオ局の報道番組の内容を取り上げた。そこでは9月初旬、江蘇省にある職業訓練学校に通う生徒がフォックスコンの工場でインターンを強制されていたというニュースが伝えられたという。フォックスコンは、生徒が希望する時期にインターンを終えて学校に戻れると説明したが、その後も煙台に住む複数の大学生から、同地にある職業訓練校が在校生をフォックスコンのインターンとしてあっせんしているとの目撃談が番組に寄せられた。

   番組の記者は実際に工場で働いていた男子生徒を直撃し、証言内容をウェブサイト上に掲載した。取材相手は1997年生まれで、取材当時は14歳10か月だったと説明。やや不鮮明だがフォックスコンの社員証の写真も公開されている。彼を含む2000人の生徒が、職業訓練校からのインターンとして工場の生産や物流部門に配属されたという。夜勤の際は始業が19時40分、終業時間は「翌朝だがはっきり決まっていない」。ノルマに達しなければ帰宅できないのだ。ある日、体調不良で学校の教師に休みを願い出たが、聞き入れてもらえなかった。結局、彼は「3回目の欠勤」を理由に工場を解雇される。別の生徒が教師に「解雇されたらどうなるか」をたずねると、「退学処分になる」との答えが返ってきたという。

   CLWは学校側の責任に加えてフォックスコンが、生徒の年齢確認を怠ったと非難する。生徒の証言が正しければ、不法かつ劣悪な労働環境は大いに問題だ。

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