イチローの「神業」ホームイン 張本氏はなぜ「苦言」呈したのか

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   米大リーグ、ニューヨーク・ヤンキースのイチロー選手が、ア・リーグのプレーオフ地区シリーズ(ALDS)で驚きのプレーを見せた。走者として本塁突入を試みた際、完全にアウトのタイミングだったにもかかわらず相手捕手のタッチを2度もかいくぐり、ホームインしたのだ。

   日米メディアはイチロー選手を絶賛したが、このプレーに苦い顔をした人物がいる。野球評論家の張本勲氏だ。

「鬼ごっこじゃない」と相手捕手をこき下ろす

「イチローのチームメートは、映画『マトリックス』から飛び出してきたニンジャのようだと口にした」
「ヤンキースのスター、相手捕手の周りをダンスしてホームイン」

   イチロー選手の走塁を、米メディアはこう評した。現地時間2012年10月8日、ヤンキースが敵地ボルチモアに乗り込んで行われたオリオールズとのALDS第2戦。初回、1塁走者のイチロー選手は味方打者が右翼に長打を放つとスピードに乗って2塁、3塁を回り本塁を目指す。だが相手も中継プレーで捕手に向けて好返球、イチロー選手は本塁手前2、3メートルで「絶体絶命」となった。

   捕手がタッチにきた。これをイチロー選手は巧みに右によけて、そのまま本塁へ走る。駆け抜けそうになりながらもベース付近で踏みとどまり、そこへ捕手が2度目のタッチを試みる。すると今度は体をくるりと1回転してかわし、倒れ込みながらも右手先でベースに触れて生還を果たしたのだ。そのまま単純に突進していれば、まず間違いなくアウトだっただろう。イチロー選手は試合後、報道陣に「どんな動きをしてもケガをすることはないという自信がある」とコメントしていた。

   10月14日放送の「サンデーモーニング」(TBS系)でこのプレーの映像が流れた。「ご意見番」の張本氏は、見終わるやいなや「喝」だ。矛先はイチロー選手ではなく、相手捕手。「鬼ごっこじゃないんだから、ベースにいなきゃ。(走者を)追いかけちゃ、いけない。基本がなってない」と散々こき下ろした。イチロー選手のファインプレー、という評価はない。隣に座った野球解説者の広澤克実氏が「すばしこさはイチローらしい」と口にしてようやく、うなずいてみせた程度だった。

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