東大の「特任」は把握できないほど多い
森口氏は千葉県市川市のアパートに住む。ハーバード大の肩書きを持つと言うが、研究の拠点は米国でなく日本だ。会見で主張したiPS細胞による治療の際、渡米時は観光ビザで入国したと話した。ハーバード大に腰を落ち着けて研究に取り組んでいるわけではないだろう。
一方で森口氏は現在、東京大学医学部付属病院(東大病院)の形成外科・美容外科で特任研究員を務めている。前出の「やじうまテレビ!」では「特任」について、「特定のプロジェクトで、任期を決めて臨時でかかわるフルタイムの研究員」と説明した。東大病院の就業規定を見ると、特任研究員の契約期間は原則1年、最大で5年とされている。給与も支払われる。
10月15日放送のフジテレビの「とくダネ!」に出演した医療ジャーナリスト、伊藤隼也氏は、「知人の東大医学部の教授に聞くと、『特任』と付く人は多すぎて把握しようがないと答えた」とのエピソードを披露した。「特任」も「客員」に似て、「特別に高い地位」というわけではなさそうだ。
渦中の森口氏は10月15日午後に帰国した。複数の報道によると成田空港で「東大に辞意を伝えた」と話したという。米国での会見時には「研究者をやめる」とも漏らしていた。