国際通貨基金(IMF)は、世界経済が「下振れリスクにさらされている」と指摘したうえで、日本に赤字国債法案の早期成立を促した。諮問機関である国際通貨金融委員会(IMFC)を東京都内で開き、2012年10月13日に発表した共同声明に盛り込んだ。
共同声明では、「世界経済の成長は減速し、著しい不確実性が残っている」と指摘。欧州の債務危機の克服に向けて、「欧州中央銀行(ECB)による国債買い入れと、金融安全網の欧州安定メカニズム(ESM)の発足を歓迎する」と明記した。
日本には今年度予算の財源を確保する赤字国債発行法案の早期成立を促すとともに、中期的な財政再建の進展が欠かせないとした。また、米国には年明けにかけて減税の失効や歳出削減が始まる「財政の崖」の解決と債務上限の引き上げを求めたうえで、「財政健全化の取り組みを進めることが重要」と言及した。