中国経済「急変調」の行方 輸出鈍化、内需減速、そして政治空白

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「中国の変調はEUではなく内需にある」

   中国政府が思い切った景気浮揚策が打てないのは、大規模な財政支出によって再び不動産バブルを引き起こし、またバブルを膨らませる恐れがあるためだ。リーマン・ショック後の「4兆元」の経済政策が結果的に内需の拡大につながらなかったという反省がある。

   中国経済が専門の富士通総研経済研究所の主席研究員、柯隆氏は「中国の変調はEUではなく内需にある。(最大の原因は)政策の失敗だ」と言い切る。

   「不動産バブルを抑えるための有効な金融政策を打たなかった。一方で国営企業の民営化も進まず、場当たり的な対応を繰り返した」と手厳しい。

   これに「政権交代」が拍車をかけた。中国政府はまもなく10年ぶりに政権が交代する。すでに習近平氏が後継者に決まり、現在の胡錦濤政権にこうした経済課題を解決しようというインセンティブは当然働かない。

   柯氏は、「現政権は党人事に忙殺されている。いろいろな思惑もあって経済どころではない。第3四半期の状況によっては金利(現行3%)引き下げの可能性はあるが、下げすぎるとバブルが再燃するから、結局は思い切った手が打てないままだ」とみている。

「おそらく、次期政権が権力を掌握するのに9か月程度はかかるだろう。その間の政治空白は大きく、不確実性はさらに高まる。この間をどう過ごすか、がポイントだ」
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