ルネサスに「官民ファンド」支援案浮上 日の丸半導体破綻「二の舞」が心配

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自動車向け「マイコン」の世界シェア3割でトップ

   そんな中で現れたのが米投資ファンドのコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)だ。ルネサスに第三者割当増資を引き受ける形で1000億円程度を出資し、議決権の過半を握ることを8月末に提案した。親会社3社が出資を否定する以上、ルネサスの経営を安定させるため主力取引行もいったんは容認する構えだった。

   トヨタや革新機構は、そこへ割って入った形で手を挙げたのだ。

   ルネサスは経営が悪化しているが、自動車や家電製品を制御する「マイコン」と呼ばれる主力の半導体は世界シェア3割でトップ。自動車向けに限れば4割で、特に日本の自動車メーカーには欠かせない「日本車の技術的な強みの源泉」。トヨタなどには、2011年の東日本大震災で、ルネサスのマイコン工場が操業不能になったことによるサプライチェーン(部品供給網)の寸断で減産を強いられた苦い記憶がある。KKRが経営の主導権を握り、企業価値を高めてルネサスを外資に売却するようなことになれば、自動車の生産に影響しかねないと心配しているわけだ。

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