「ポケモン」は人間に虐待されている? 動物愛護団体が「ピカチュウ」解放運動

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   世界中で愛されている任天堂の「ポケットモンスター(ポケモン)」について、動物愛護団体が「ポケモンは人間に虐待されている」「ポケモンを解放しよう」などというキャンペーンを展開している。

   この動物愛護団体はイギリスやアメリカなど各国に拠点を持つPETA(People for the Ethical Treatment of Animals)で、2011年11月には世界で最もヒットしたゲームシリーズ「スーパーマリオ」のキャラクターが、タヌキの衣装(毛皮)を着ているとして抗議活動を行っている。

ピカチュウとその仲間は何世代にも渡ってプレイヤーに苦しめられてきた

   PETAのホームページのトップには現在、「ポケモン」のキャラクターが描かれたアイコンがあり、それをクリックすると独自に制作したゲームのページにつながる。そこには首輪が嵌められ、傷付き、血しぶきのようなものが付いたキャラクター、ピカチュウがいる。

   書かれている説明文を要約すると、「ポケモン」は実は恐ろしい物語で、ピカチュウとその仲間は何世代にも渡ってトレーナー(プレイヤー)に苦しめられてきた、とある。

   トレーナーはキャラを丸いボールのようなものに閉じ込め、相手との戦闘のときに無理やり出して戦わせる。それはまるでサーカスや奴隷のようなもので、

「子どもたちはポケモンを人間に虐げられるためだけに存在すると信じて育ってきた。思いやりの代わりに支配を学んだ。ポケモンが最悪の虐待を受ける一方、子どもたちもお互いに攻撃し始めた」

といい、独自の見方を披露している。

   さらに、キャラクター達は「もううんざりだ」と思っていて、PETAはそんな彼らを自由にしたいので、皆さんも我々を支援してほしい、などと書いている。

   アップされているゲームは、ピカチュウと人間のバトルで、人間は巨大なハサミや注射器のようなものをピカチュウに投げつけている。

「ポケモンと人間は助けあって生きているんだよ」

   このPETAというのはどんな組織なのか。ホームページの説明によれば、農場や工業、衣類、実験室、エンターテインメントの分野で苦しむ動物を救う世界最大の動物愛護団体で、300万人以上の会員やサポーターがいる。「ポケモン」はこのエンターテインメント分野に属するようだ。11年11月には、タヌキの衣装を着ている任天堂の「スーパーマリオ」のキャラは、毛皮を生きたまま剥ぎ取られる残酷なもので、「スーパーマリオ」はそれを奨励している、などというキャンペーンを打った「実績」がある。

   今回の「ポケモン」のキャンペーンに関してネットでは、

「ポケモンの設定わかってないね。ポケモンと人間は助けあって生きているんだよ」
「架空の物体を抗議の対象にするとは・・・」

などという感想が出ている。

   また、動物愛護団体のキャンペーンだとしても、キャラをそのままいただいてゲームを作っているのは明らかな著作権違反だと発言している人も多い。

   今回のキャンペーンにどう対応するのか。任天堂の関連会社ポケモンの広報は、

「ポケモンのテーマは人との共生、絆です。それが多くのファンの皆様に支持されてきた本質的なことですし、みなさんもそう理解していただいていると思っています」

と話している。

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