村上春樹「ノーベル文学賞」本命 ライバルは中国人作家で「日中対決」?

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   京都大・山中伸弥教授のノーベル医学・生理学賞受賞決定に続いて、文学賞でも日本人が本命視されている。作家の村上春樹氏だ。

   有力な対抗馬として名前が挙がっているのは、中国人作家の莫言氏。尖閣諸島をめぐって日中関係が冷え込んでいるが、ノーベル賞争いでは「熱い戦い」だともっぱらの評判だ。

ブックメーカーのオッズは村上氏本命

朝日新聞に寄稿した村上春樹氏
朝日新聞に寄稿した村上春樹氏

   村上氏はここ数年、毎年のようにノーベル賞候補としてメディアが名を挙げている。2006年の時点で毎日新聞が、英国のブックメーカー(賭け屋)のオッズで18番目につけたと紹介。2009年に発表された「1Q84」が世界的に大ヒットした後は、「今年こそ」と報道が過熱していった。

   英有力ブックメーカー「ラドブロークス」の2012年10月10日時点のオッズは村上氏が2倍とトップ、ハンガリーのペーター・ナダス氏が2.5倍で続く。別のブックメーカー「ユニベット」でも村上氏が4倍と首位に立ち、2位は中国の莫言氏の4.5倍となっていた。

   村上氏の評論を書いている横浜市立大学名誉教授の鈴村和成氏は、2012年10月9日放送のフジテレビ「ニュースJAPAN」で村上氏を本命、莫氏をライバルと位置付けた。アジアの作家は1994年の大江健三郎氏を最後に、フランス国籍の高行健氏を除いて誰も受賞しておらず、2人に有利にはたらくのではと鈴村氏はみる。ただし、必ずしも人気の高い著名作家が選ばれるとは限らないとも指摘した。

   莫氏は中国文壇の重鎮だ。代表作「赤い高粱」は、後に張芸謀監督により映画化され、日本でも「紅いコーリャン」の題名で知られる。オンラインで日本のトレンド情報を日中両言語で発信する「週刊・東京流行通訊」編集長の姚遠氏に取材すると、「『赤い高粱』は内容、言語表現ともに強烈、衝撃的でした」と語る。現在は中国作家協会副主席を務める大御所で、姚氏も「40代を中心に支持されている」と考える半面、学生や20代は知らない人が多いのではないかと話す。母国・中国でも、村上氏と比べると知名度は格段に低いようで、姚氏がミニブログ「微博」で若者の反応を見たところ「莫氏のノーベル文学賞受賞は、あまり期待されていませんでした」。

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