備蓄倉庫の拡充や非常用発電の増強
湾岸エリアで建設中だったり、建設計画が進んでいたりする多くのマンションでは元々、地震の揺れを抑える免震構造の導入など地震対策は講じられていた。だが、震災以降、住宅各社はいっそうきめ細かい震災対策を取り、入居希望者にわかりやすく説明をするなど工夫を重ねている。
例えば、三井不動産は、備蓄倉庫の備えを厚くし、非常用トイレなども準備した。「大地震などが起きた場合でも、比較的不自由なく生活できるように配慮した」(同社)。
三菱地所は震災を機にアンケートで消費者の新たなニーズを調べた。この結果、安全や安心に対する意識が一段と高まったとして、「マンションでどんな震災対策をとっているか、できるだけわかりやすく、ていねいに説明するよう心がけている」という。
住友不動産は震災発生時に販売中だった豊洲の2棟(計約1900個)について、非常用発電機の能力を増強した。震災直後は見学者が半分以下に落ち込んだというが、最近では、「都心から徒歩でも1時間程度なので、震災時に浮上した帰宅困難者問題の観点から、逆によい方向で見直しが進んでいるようだ」という。同社は今後、中央区晴海などでも高層マンション開発に着手する計画で、開発に向けた動きは今後、加速しそうだ。