島根県立大学の学園祭で毎年行われてきたイベント「男装女装コンテスト」が、開催日の前日にいきなり中止になった。生物学的な性と心の性が一致しない「性同一性障害」支援団体に抗議されたことがきっかけだった。
大学側はこのイベントは性同一性障害に対する理解と配慮が足りなかった、と認めたが、ネットでは「支援団体の反応が過剰すぎるのではないか」といった疑問も出ている。
学生達が学園祭を盛り上げる目的で企画した
島根県立大学の説明によれば、この「男装女装コンテスト」は08年から毎年開催していた。このイベントに関する批判のようなものはこれまでなかったが、12年10月6日に性同一性障害支援団体から、学生の学園祭実行委員会宛に電話が入った。担当の学生が不在だったため、電話は大学職員のもとに転送され、意見を聞くことになったのだという。
人権団体はイベントに関して、性同一性障害について十分な理解をした上で行っているものかどうかを訊ねた。大学側はイベントについて、学生達が学園祭を盛り上げる目的で行っているものだと説明。学生達が性同一性障害について十分な理解をしているのかどうか、していなかった場合に周知徹底するとしても学園祭は翌日の7日と8日に迫っているため時間的にも難しいと判断し、学園祭実行委員会と話し合い急遽中止を決めた。
「十分な理解と配慮がなかったと思っています。これからはこうしたことがないように努めていきますが、コンテストを復活させるかどうかはわかりません」
と話している。
今回の経過は支援団体の公式ホームページでも紹介されていて、12年10月6日付けの記事では、このコンテストは集客を目的としたもので、性同一性障害者への配慮は当初から念頭になかったことがわかった、障害を抱えている人たちが偏見と差別にさらされるおそれがあると判断して口頭で開催の中止を要請した、と書いている。