「資源保護活動が活発化するのは歓迎する」
実際に自主的な漁獲調整などで漁獲量が減った場合、養殖業者の一部ではシラスウナギの仕入れ値のさらなる高騰を懸念する向きもある。日本養鰻漁業協同組合連合会(日鰻連)ではレッドリストに載った場合の影響は「まだわからない」が、「(すでに実施中の放流などの)資源保護活動が活発化するのは歓迎する」と話す。
水産庁では、これまで環境省版レッドリストを受けて施策を講じたことはなく、ウナギについても同庁が6月に発表した、養殖業者向け支援や資源管理・保護等を柱とする「ウナギ緊急対策」を進めていくとしている。
水産庁によると、ウナギの原料となるシラスウナギはここ3年不漁が続き、国内での捕獲量は2009年に20トン台前半だったのが2012年には1桁台にまで落ちこんだ。こうした状況に安定したウナギの供給を求める声は強く、「載るにしても載らないにしても保護が必要」(日鰻連)ということのようだ。