首都圏でも消費者がコメを買い占め
震災と原発事故後は、「コメが足りなくなるのではないか」という漠然とした不安から、首都圏でも消費者がコメを買い占めるなどした。しかし、2011年3月の津波の被害で倉庫から流失したコメは約2万トンにとどまり、その後のコメの検査で基準を超える放射性物質が検出され、流通できなくなったコメも約2万トン。つまり震災と原発事故で出荷できなかったコメは約4万トンにすぎなかった。
今年の新米(2012年産米)が豊作で、年間需要見通しを上回る収穫が予想され、民間在庫も増える方向に働くことから、高止まりしていたコメの価格は今後、徐々に下落に向かうとみられている。これに対して農水省や農協が政府備蓄米の積み増しなど、価格安定に向けた新たな政策を打ち出すかどうか、関係者が注目している。