食品表示が分かりやすくなる? 消費者庁、新法案づくりに動く

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   食品表示は分かりにくいといわれる。複数の法律でバラバラに表示規則が決められているからだ。

   消費者庁の「食品表示一元化検討会」(座長=池戸重信・宮城大特任教授、委員15人)がその改善作業に取り組んでいたが、2012年8月、加工食品について原則として栄養表示を義務付けることなどを柱とした最終報告書をまとめた。この報告を受け、消費者庁が食品表示関連の法律を一元化する「食品表示法案」(仮称)を、来年の通常国会に新たに提出する。これにより、長年の懸案だった「一元表示」がようやく具体的に動き出すことになった。

加工食品に栄養表示義務付ける

   食品表示のルールは、食品衛生法、日本農林規格(JAS)法、健康増進法に分かれている。

   食品衛生法は、添加物やアレルギー物質などを表示して衛生上の危害発生を防ぐのが目的だ。JAS法は原材料や賞味期限など品質に関する適正な表示を定め、健康増進法は栄養成分の表示ルールを定める。この3法で表示項目が重複したり、項目の定義が違ったりするため、分かりにくいという指摘があった。例えば輸入食品の場合、JAS法での「輸入者」は、食品衛生法では「製造者」とされている。

   今回の検討会の最終報告書は、原則として包装された全加工食品を対象に、①膨大になりすぎた情報を簡素化し、文字拡大など見やすい表示にする、②新法の施行後5年以内に栄養表示を義務付ける、③アレルギー物質の表示を充実させる――などを柱として打ち出した。

   栄養成分の表示は、栄養改善法(1952年)を受け継いだ健康増進法が2003年に施行され、エネルギー、たんぱく質、脂質、炭水化物、ナトリウムの5成分はすでに任意表示が推奨されているが、新法では全加工食品で原則、表示が義務化されることになる。

   ただ、具体的にどの成分の表示を義務化するかは未定で、現行の5成分を軸に検討される。このうち、ナトリウムの表示は、消費者が知りたい食塩量(ナトリウム量の2.5倍)に換算した「食塩相当量」といった具合に、表示がわかりやすくなると期待される。世界では欧米を中心に栄養表示が多くの国で実施され、欧州連合(EU)では1日の推奨摂取量の何割かを表示するほどというから、法改正で「世界標準」に一歩近づくことになる。

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