尖閣海域に連日「4000トン級」の海洋監視船 中国は何をたくらんでいるのか

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軍事行動に出るかは、識者の見方分かれる

   中国の領海侵入については、産経新聞も2012年9月30日付記事で、監視船の大型化、重装備化に警戒する必要性を指摘している。

   それによると、海洋監視船が集めたデータは中国海軍に提供され、潜水艦が航行するために活用されている可能性がある。また、中国の漁業監視船も大型化するなどしており、海保が衝撃を受けたという「漁政310」は、2580トンの最新鋭でヘリ2機を搭載していた。ヘリで上空から偵察できるほか、船には14.5ミリ連装機関銃も備えているというのだ。

   日本の大型巡視船「やしま」は5300トンで船の規模は遜色がないが、中国の船はそれ以上の機能がある可能性が強そうだ。

   中国が軍事的な行動に出るかについては、識者の見方は割れている。

   軍事ジャーナリストの黒井文太郎さんは、週刊朝日の10月5日号特集で、中国がフィリピンの南沙諸島を漁船保護の理由で実効支配したように、「彼らは本気で尖閣を『切り取り』に来ている」とした。南沙諸島では中国海軍も出動しているが、黒井さんは、尖閣についても「いずれ中国側は海軍の艦艇を派遣してくるだろう」とみる。

   一方、拓殖大学の石平(せき・へい)客員教授は、公式サイトの「チャイナウォッチ」で9月29日、中国の高官が日本の友好団体との会談に応じるなどしていることから、「力ずくで日本をねじ伏せるようなことを諦めた」と指摘した。それは、野田佳彦首相が国連で尖閣について妥協しないと宣言したことを受けて、中国が対話で領土問題の存在を認めさせる戦術に変えたからだという。

   安保条約のあるアメリカが、日本を守るかについても意見が分かれている。

   アメリカ側は、尖閣に安保が適用されるとしているが、元外務省国際情報局長の孫崎享さんは、週刊朝日の特集の中で、尖閣を守るのは日本自身の責任であり、日中の軍事衝突でアメリカは日本を守らないとした。一方、アメリカ在住作家兼ジャーナリストの冷泉彰彦さんは、ニューズウィーク日本版の9月24日付記事で、安保条約がある以上、「日本に対する攻撃は『共通の危険』であるとして、行動することになっています」と指摘している。

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