「(原発ゼロ)30年代は明確に決まったものでないと理解」
記事によると、電源開発の調査では、活断層でなく古い時代の粘土質の地層とされたが、専門家は、その見方に疑問を呈した。また、大間原発沖の海底にも活断層があって、マクニチュード7級の地震を起こす可能性があり、もしそうなら原子炉直下の活断層も一緒に動くというのだ。
一方、使用済み核燃料についても、問題点の指摘がある。
大間原発は、プルトニウムとウランの混合酸化物(MOX)の燃料を全炉心で使う世界初のフルMOX商業炉だ。しかし、京大原子炉実験所の小出裕章助教は、2012年9月20日放送の毎日放送ラジオ「たね蒔きジャーナル」で、使用済みMOXは発熱量が高くプールでの冷却にかなりの時間がかかると指摘した。
以上のような疑問点について、どう答えていくのか。
電源開発の広報室では、国の戦略との矛盾についてはこう説明する。
「2030年代というのは、明確に決まったものではないと理解しています。今後は、戦略に基づいて政策的な議論がなされると考えます。原発を止めることにならないよう、40年間は運転できる安全な発電所を作っていきます。原発は、国のエネルギー政策を考えるに当たって必要だと訴えるつもりです」
また、週刊朝日の指摘には、「粘土質の地層は、新しい時代に変動がなく、変化も局所的ですので、活断層ではないと考えています。海底についても、地質調査などから活断層でないと分かりました」と反論した。
使用済みMOXについては、「ウランなどと大きな違いはなく、プールに設計上の問題はないと確認しています。再処理工場は、今の時点では議論が止まっていますが、将来的には方向性が示されると考えています」と言っている。