ユニクロ、資生堂、日産、イオン… 下落が続く中国関連株

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   尖閣諸島(沖縄県)の国有化に伴う日中関係の悪化で、中国で攻勢を強めていた企業の株価下落が著しい。

   中国とかかわりが深い建設機械や資源、海運、中国を「戦略市場」と位置付けている自動車、小売り、日本を訪れる中国人観光客の減少が懸念される旅行・レジャーなど、影響は幅広い。

日本製品「不買運動」で売り上げ急減懸念

   満州事変の発端となった柳条湖事件が発生して81年にあたる2012年9月18日をピークに中国各地で起きた反日デモの影響で、中国に進出する企業の株価が軒並み下落している。

   中国ではその後、大規模な反日デモこそ起こっていないが、日本製品のボイコットを呼びかける声が残っており、売上げの回復はまだまだ期待できそうにない。

   そんなことから、資生堂の株価下落が止まらない。10月1日の東京株式市場で、資生堂株は一時1006円まで値を下げて、年初来安値を更新した。終値は前週末(9月28日)に比べて61円(5.7%)安の1010円で引けたが、年度初めの4月2日からは28.7%も下落。1000円を下回ると1995年以来の水準になる。

   みずほ証券は同日、投資判断を「中立」から「アンダーパフォーム」に格下げし、目標株価を1090円から900円に引き下げた。「景気減速や尖閣問題による反日デモの影響に伴う今後の中国の売上げ失速を懸念した」(投資情報部)ことが、その理由。

   資生堂は早くから中国市場へ進出。年間売り上げの14%程度を中国が占めており、「中国事業の成長が、これまで株価のバリュエーションを支えていた要素である」と指摘する。

   暴徒化したデモ隊の被害にあった山東省青島市の「ジャスコ」を運営するイオンや、中国内の「セブン‐イレブン」が相次ぎ休業に追い込まれたセブン&アイ・ホールディングス(HD)、「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングなどの株価も軒並み値下がりした。

   イオンは反日デモが激しかった9月18日に年初来安値(871円)を記録。4月以降で約20%下落した。セブン&アイHDは約2%の値下がり、ファーストリテイリングは6.5%下落した。

   中国での販売や生産の規模が大きい企業ほど大きく株価を下げる傾向にある。

日産、ホンダの株価、4月から25%超の下落

   反日デモの影響で大手自動車メーカーの株価も軟調だが、なかでも現地で先行する日産自動車の下落幅は大きい。10月1日の日産株は一時650円まで下落し、年初来安値を記録。終値は、前週末に比べて10円(1.5%)安の655円で引けた。

   ホンダは前週末比15円(0.63%)安の2382円。トヨタ自動車は51円(1.68%)安の2989円だった。4月以降の下落率で、日産株は27.1%と、ホンダの25.8%やトヨタの16.2%を上回る。

   自動車大手は現在、国慶節(10月7日)前の連休を一部前倒しして在庫調整に入っている。10月8日から生産を再開するとはいえ、中国市場での販売不振が続けば、収益も悲観的にならざるを得ない。

   自動車をはじめとする輸出関連株は、9月18日時点では日中関係の悪化から円安に振れたこともあって買われた銘柄もあったが、10月1日は反日デモが収束したこと、また前週末の米国での株安を受けて円高に推移したことから、売り込まれる場面もみられた。

   中国の不買運動に伴う売上げ減と円高の「ダブルパンチ」が効いてきそうだ。

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