「カツなしカレー」でも議員食堂の倍額
東京・中央区の朝日新聞東京本社にも、アラスカは入っている。ここではランチメニューでカツカレーやカツカレーセットが見当たらず、単品のビーフカレーが2100円、チキンカレーが1890円だ。前出の朝日新聞9月29日の記事では、衆議院の議員食堂のメニューを撮影した写真が掲載されていたが、カツカレーが945円となっていた。「カツなしカレー」でも、朝日のレストランは倍額以上という計算になる。
さらに、毎日新聞社のある「パレスサイドビル」でも営業していた。ここもカツカレーは販売しておらず、「アラスカ特製カレー&ライス」が単品2310円、「極上、黒毛和牛のスペシャルカレー&ライス」になると5040円だ。
メニューにあるというだけで、朝日や毎日の社員が連日「高級カレー」を食べているわけではないだろう。だが「3500円カレー」を取り上げたテレビ番組やスポーツ紙では、コメンテーターや街頭インタビューに答えた人による「高すぎるのでは」との疑問の声を紹介していた。安倍新総裁の「庶民感覚」について首をかしげていたメディアがあったためか、ネット上では「安倍さんがここでカレー食ったら朝日新聞はなんと報道するのだろうか」などと皮肉る書き込みが並んだ。
カレーのチェーン店では通常、カツカレーは1000円以下で食べられる。国内外に1300店舗以上が展開している「CoCo壱番屋」には、780円の「ビーフカツカレー」や880円の「手仕込とんかつカレー」などがメニューに見られる。運営会社の壱番屋に取材すると、安倍新総裁の「3500円カレー報道」の後、「ネット上ではツイッターでカツカレーが話題になったようですが、売れ行きが爆発的に伸びたということはありませんでした」と話した。これに対して、「ゴーゴーカレー」を運営するゴーゴーシステムに聞くと、「(総裁選翌日の)9月27日は、全国的にカツカレーがよく売れました」と明かす。ゴーゴーカレーのウェブサイト上で「人気ナンバーワン」となっている「ロースカツカレー」は、ご飯の量が「普通」だと750円、「特盛り」のサイズでも950円だった。