大阪市の橋下徹市長が、「尖閣諸島に日本の警察を常駐させるべきだった」などと発言したことに対して、友好都市の上海市政府外事弁公室が「誤った言論で、中国の領土の主権を侵害した」など抗議した。
これに対して、橋下市長は2012年10月1日朝の囲み取材で、「よく考えた抗議文の出し方」と、一定の理解を示した。
「中国側としては、そう(抗議)せざるを得ないのだろう」
橋下市長は、抗議の対象が大阪市の上海事務所だったことから、
「中国サイドも良く考えた抗議文の出し方というか…」
「中国側としては、そう(抗議)せざるを得ないのだろう。上海市政府から僕宛てにダイレクトに来たものでもないし、抑制された上での抗議ということで、それはそれで、そういうものかな(と思う)」
と述べた上で、
「自治体外交は、国の外交とは切り離して、しっかりやっていかないといけないと思っている。大阪市長としては、上海を含めて中国との交流を、こちらから中止することはない」
と、今回の発言が大阪市と上海市の関係に大きな影響を与えることはないとの見方を示した。
その一方で、
「政治家としての発言については持論なので、訂正も曲げる必要もない」
とも発言。
「異議がある場合は、中国から国際司法裁判所(ICJ)に訴えてくればいいのではないか。そのときに、我々日本が『領土問題なし』の抗弁を使ってICJを拒絶するというのは、僕はあり得ないと思う」
と、日本政府の公式見解を改めるように繰り返し求めた。