日本銀行が2012年10月1日に発表した9月の企業短期経済観測調査(短観)によると、企業の景況感を示す業況判断指数(DI)は、大企業製造業でマイナス3となった。主な原因は、欧州の債務危機をきっかけとした海外経済の減速に伴う輸出や生産の減少による。6月の前回調査から2ポイント悪化し、3四半期(9か月)ぶりに悪化した。
業況判断DIを業種別にみると、全28業種のうち、12業種の景況感が悪化した。製造業では自動車が前回よりも13ポイント低いプラス19と大幅に悪化した。エコカー補助金による政策効果の息切れや輸出減速が影響したとみられる。
一方、大企業非製造業の業況判断DIはプラス8と前回調査から横ばいだった。東日本大震災の復興需要を背景に、建設や不動産、宿泊・飲食サービスが改善した。
なお、DIは「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた企業の割合を引いた値。