ホンダが「世界販売600万台」宣言 4年後の大風呂敷なのか

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これまでは自主独立路線を貫く

   1990年代には自動車業界に「400万台クラブ」なる言葉があり、年間の新車販売が400万台以上ないメーカーは統合・再編を迫られるとされた。これに対し、当時300万台にも達していなかったホンダは敢然と自主独立路線を貫いた。それが大成功したかどうかは別にして、震災の逆風下の2011年度でも2000億円超の最終(当期)利益を稼ぎ出したところを見る限り、少なくとも失敗ではなかった。

   しかし、今回の「600万台」の目標表明は、ホンダが従来とってきた「台数ありきから距離を置く姿勢」からの転換とも言える。それだけ、新興国が市場として沸き立つ世界の変化に危機感を覚えているのだろう。

   それでは、600万台に向かって、どういう道筋を描くのか。伊東社長は「フィットは世界のどこに行ってもコアの商品になる」と強調しており、2013年以降、日本を皮切りに世界で順次発売する主力の小型車「フィット」の改良版が原動力になると見ているようだ。

   北米やアジアなど6地域で同時に現地ニーズに合った車となるように開発を進め、競合相手に対抗する。現在は設定がない小型セダンや多目的スポーツ車(SUV)などの派生車種も発売する見通しだ。タイとインドではアジア戦略車の小型車「ブリオ」をベースにしたSUVなども投入。インドでは現地ニーズに応えるため、ディーゼルエンジン工場も新設する。

   ただ、世界メーカーとの競争は激しく、新興国の出遅れをばん回するのは容易ではない。中国での反日気運の高まりも気がかりで、ブランドの浸透に手こずる可能性も否定できない。

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